『菓』

 
ごらん頂いている皆様は、「菓子」というと、
そのようなものを思い浮かばれますか?
 
現代のお菓子のような穀類を粉にして加工する
製法の食品を思い浮かばれることでしょう。
 
古代より、日本では果実や木の実などの天然の甘みを
もつものを総称して「くだもの」と呼んでいました。
奈良時代から平安時代にかけて、当時の中国から
穀類を粉にして加工する製法の食品が伝わり、
これが唐菓子と呼ばれるようになりますが、
このころ、砂糖を作る技術も入ってきたとされています。
 
しかし、当時の日本には現在のような砂糖というのは
高級品で、一部の人しか食することができないものでした。
したがって、甘いものを求めるには、糖分を多く含む果実に
「甘さへの魅力」をもとめました。
 
室町時代から安土桃山時代にかけて茶道が盛んになり
点心としての菓子がもとめられましたが、そのころに
小豆や豆類などで羊羹や饅頭を作られるようになりました。
しかし、お菓子に使う砂糖は高価であり、そのため
お菓子には「果物」が多用されたそうです。
 
お菓子の「菓」の字は、実は「果物」を加工したものという意味で
こういう漢字を使われるようになったとされています。
 
人間の甘いものへの探究心は、その創意工夫の
生みの親でもあるのですね。
 
実はここ、饅頭屋さんの軒先なんです…
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